金型設計・製造の現場では、金型の加工用にNC加工機が多数使われています。そのうち、NCフライス盤、マシニングセンタ、ワイヤ放電加工機に関しては2次元CAM・3次元CAM等で加工(NC)プログラムを作成し、加工が行われています。 |
しかし、形彫り放電加工機に関しては、電極の加工位置情報を記述した紙の指示書で加工指示を行い、現場でNCコントローラに直接座標値を手入力している場合が多いです。このため、例えば13.142の位置に加工すべきところを間違って13.124と入力し、気が付かず加工して不良ワークを作ったというような人為ミスが、今も発生しています。形彫り放電加工は最終工程である場合が多く、このミスが発生した場合の損害は、大変大きなものになる場合が多いです。形彫り放電加工機の加工座標もCAMから自動出力し、手入力ミスを根絶すべきです。 |
近年ソリッドでの3次元金型設計が普及し、電極設計も3次元で行われるようになっており、この問題がクローズアップされてきました。このような状況の一因は、CAD/CAMから形彫り放電加工機への座標データ交換の仕様が、各社バラバラであることです。統一されたフォーマットが制定され、各社CAD/CAM・放電加工機が対応すれば、連携しやすい環境が整うはずです。
|
詳しく知りたい方のため、日本金型工業会東部支部「第38回 金型関連技術発表講演会」 (2010年12月17日)の講演資料を元に作成した、EPX-WGの活動紹資料をご提供します。以下からダウンロード出来ます。 |
EPX対応のCAD/CAMは、EPXフォーマットに準拠した加工座標情報ファイルを出力する事ができます。 EPX対応の形彫り放電加工機は、直接EPXファイルを入力して加工座標情報を受け取れるか、または 形彫り放電加工機用ソフトを介してEPXファイルを読込むことが出来ます。以下、EPX対応のCAD/CAM、 形彫り放電加工機・ソフトのリストを示します。すでに主要なCAD/CAMベンダー、放電加工機メーカが対応した製品を提供しています。各社の製品については、各社にお問い合わせ下さい。 |
当ワーキンググループは、EPXフォーマットの規格を策定するために発足しました。 EPXの起源は、当ワーキンググループに参加している中の数社が、3次元CADで設計された電極での加工座標情報を、形彫り放電加工機に伝達することを目的に開発し、2000年10月に策定したフォーマット(EPXバージョン1)です。日本金型工業会東部支部CAD/CAM分科会は、このEPXを発展させる目的で、参加者を新たに募り当WG、正式名称「3次元CAD/CAMと放電加工機の連携について研究・開発ワーキンググループ」を2003年8月に発足させました。WGメンバーは、金型製作会社3社と、国内主要放電加工機メーカ3社、CAD/CAMベンダー7社でした。競合メーカの壁を越えた会合を重ね、2004年7月7日にEPXバージョン2を制定しました。現在はEPXの普及促進のために活動しています。 |
(株)アルモニコス | (株)インクス | ヴェロ・ジャパン(株) |
(株)NTTデータエンジニアリングシステムズ | (株)エロワ日本 | コダマコーポレーション(株) |
樫山金型工業(株) | (株)C&Gシステムズ | システム・スリーアール日本(株) |
昭和精工(株) | (株)セイロジャパン | (株)セスクワ |
(株)ゼネテック | (株)ソディック | デジタルプロセス(株) |
(株)電通国際情報サービス | (株)日本デザインエンジニアリング | 日本ユニシス・エクセリューションズ(株) |
(株)牧野フライス製作所 | 三菱電機(株) | 三菱電機メカトロニクスソフトウエア(株) |
本WGはベンダー・メーカ様が本趣旨に賛同して下さり、EPXの入出力が出来る製品が作られ、増えることを歓迎いたします。 その場合は当WGへご一報下さい。EPXフォーマットは、拡張性の高いXML言語で規定されています。 フォーマットは以下からダウンロードすることが出来ます。 2013年1月10日のWGにて、規格書の改定と解説書の追加が行なわれました。 |