「金型の日」を迎えるにあたって
一般社団法人 日本金型工業会
会長 小出 悟
本年は元号が令和に変わり、日本の新たな時代の幕が開き、(一社)日本金型工業会の一大行事である第46回「金型の日」を迎えるに当たり、気も引き締まる思いがいたします。
一昨年スタートした金型マスター認定制度も、継続は力なりの言葉のごとく第二期生36名を排出し、さらには一期生71名の中から19名のシニア金型マスター認定者という新たな、業界の宝となりうる人材を創出できましたことは、この上なき喜びであり又それにご尽力いただきました関係者の皆様方には、ただただ頭の下がる思いで一杯です。ありがとう御座いました。
現在私たちを取り巻く環境は必ずしも良い状況であるとはいえません。グローバルな社会情勢の変化に振り回されるそんな時代であると言えるでしょう。このような時代であるからこそ慎重に構えながらも能動的な行動を積極的にとる必要があり、今まで以上に産・官・学の連携を通し今後を見直すべき時といえるでしょう。今、一つの取り組みとしてまさに官主導で金型取引適正化推進協議が進展しています。私も何度か意見具申をさせていただきましたが、金型代金の前金制度など画期的ともいえる改善がなされようとしています。時代のうねりは激しく容赦なく我々に襲い掛かって来ます。IoT・AI技術はまさに我々の社会を一変する技術でしょう。働き方改革はさらにその新技術の発展を助長し、そのことが人材不足問題を結果的に改善する糸口にもなることでしょう。このような環境がさらに進む中では法的には「官」の力を知識的には「学」の力を、両社と友好的に連携を組み個社の努力の及ばないことに果敢にチャレンジすることこそが、日本の金型業界の安定と発展に寄与するものと信じ、日本金型工業界として積極的に、そのことを新ビジョンに認め、広く周知のものとし、新元号にふさわしい業界作りを行うことが役割であると考えています。
(一社)日本金型工業会が中心的存在となり、金型産業を安定的に発展させるためにも会員企業の皆様はもとより、関連団体、官公庁の皆様の更なるご指導・ご鞭撻ご協力をお願い申し上げ、金型の日を迎えるにあたり私のご挨拶とさせていただきます。