新金型産業ビジョン ≫PDF
今、日本経済の根幹と位置づけられている国内の“モノづくり産業”は「経済のグローバル化」の進展により、空洞化するのではないかと危倶され始めてきた。例えば、今まで日本を支えてきた2大産業の電機・自動車産業は、アジア地域を中心とした海外市場向けに、その生産の基地を移動させている。それにつれ、それら顧客市場を中心に活動してきた中小企業中心の素形材産業は市場を失うことになり、今後、生き残りをかけた大きな変革を余儀なくされている。
しかしながら、日本の金型産業は、如何にグローバル化が進み海外展開を余儀なくされたとしても、今後も「国内雇用を守り、国内で金型づくりを継続していくこと」の道を変える様なことがあってはならない。中国の最も古い書に「邦畿千里 惟民所止 緡蛮黄鳥 止干丘隅(大学・伝三章)」とある。日本は“モノづくり産業”にとって「邦畿千里」の場所であり、多くのモノづくり企業が住み着き、その中から様々な分野で「黄鳥(鷺)」とも言える世界ーの“モノづくり企業”も生まれ、確固たる地位を築いている。金型企業においても、今後も日本に留まり“モノづくり”に邁進すべきことが最も大切であることは、この著名な書籍の中で指摘している通りである。
しかしながら、今後も日本に留まり「鷺のさえずり」を続ける道は決して平坦な道では無い。より厳しくなる海外企業との戦いに勝つ為には、今までの様に単に「守るだけの姿勢」での経営ではなく、「攻める金型産業経営」をしなければならない。その為“如何に攻める金型企業軍団になるか!”をテーマに今回、“新金型産業ビジョン”の作成に取り組んだ。
今回作成した「新金型産業ビジョン」は、「日本が誇る技術力をベースとしての経営力を培い、世界へ攻める戦略の下、いかにその戦いで勝ち抜くか!」について“知行合一”を基本に作成した。
この新金型産業ビジョンは、金型企業向けに作成されたものではあるが、金型を使って頂いているお客様市場の皆様等、関係する産業界の皆様にも読んで頂き、金型産業の今後取組みについて理解して頂くことも望みたい。
平成26年3月
一般社団法人日本金型工業会 経営労務委員会
新金型産業ピジョン策定委員会